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友人Sさんへの返答。共謀罪法案に関する大騒ぎによりセットされた時限爆弾について。 [文学中年的、考えすぎ的、]

この前、共謀罪法案成立の朝に書いたブログに対して、大学以来の友人Sさんからこういう質問を受けた。
「でもどうしてこの法(やその他のひどいやつ)をこんなに急いでつくっているんだろう。経済にも支持率にも寄与しないし、加計などからの保身のためではないと思う。思想信念?無敵感?焦り?心情がわからない。きもちがわるい。何かもっと見逃しているものがある気がする。」

これに、大きく3つの視点で、私の考える理由を述べたいと思います。
視点1 安倍政権は日本をシンガポールのような国にしたいと考えている。と仮定する。
視点2 日本に残された「成長戦略」は、軍事産業の輸出産業化しかない。と安倍政権は考えている、と仮定する。
視点3 視点1,2を、国民に納得させる重要なきっかけとして「いつか必ず起きるテロ」を利用しようとしている。と仮定する。

この道筋で考えると、ここ数年の安倍政権の制定した「日本版NSCとその補佐機関NSS国家安全保障局の創設」「防衛装備品移転三原則と防衛装備庁創設」「特定秘密保護法」「安保法制」「共謀罪をテロ等準備罪と名付けて法制化したこと」の意味が、一本の筋として見えてくる。

視点1 安倍首相の作りたい国家像を「シンガポールのような」と仮定してみる。シンガポールというと、観光地だし最近はアジアで一番の経済の中心、くらいのイメージしかない人が多いと思うが、政治体制を見るとびっくりする。その特徴は・・・
① いちおう選挙はあるのだが、実際は一党長期政権、実質、独裁世襲政権である。(初代首相建国の父の長男が現在の首相。)
② 「いちおう選挙はあるのに一党独裁」が可能なのは、厳しい言論メディア統制があるから。
③ そこらじゅうにある監視カメラ、AIまで活用した国民の行動と、携帯の通話と位置情報の分析など、国民生活の厳しい監視により、良好な治安を保っている。(明るい北朝鮮、と言われている。)。
④ 低い法人税、企業や外国企業の投資しやすい法制など、企業活動、経済最優先の、仕組みになっている。
⑤ 大学のレベルの高い学問研究水準は、産官学共同プロジェクトによる潤沢な資金が支えている。
⑥ 徴兵制のある軍事国家である。非常時は国民総動員体制になる仕組みが確立しており、国家予算の2割以上の軍事費を支出している。

視点2 日本の成長戦略で、残された可能性は「軍需産業の輸出産業化」だけである。
そもそもはもうひとつの柱として、インフラ輸出 原発、新幹線を掲げていたが、新幹線など交通インフラ輸出は諸外国との競争で必ずしも順調ではない。原発は福島原発事故による諸外国の原発政策の変化と、東芝の破たんで前途は不透明。そんな中で、安倍政権および財界は、軍事産業の輸出産業化を着々と進めている。
防衛装備移転三原則の閣議決定で、実質武器輸出を解禁し、その窓口として防衛装備庁を発足。世界的武器展示会でのセールス、イスラエルとの無人攻撃機共同開発やオーストラリアへの潜水艦輸出交渉、フランスやイタリアと、防衛装備品移転に関する協定を結ぶなど、大きなニュースにはならない中で、その流れは急拡大している。軍事技術化可能な研究を、大学と共同で進めるプロジェクトも進行している。
しかしながら、オーストラリアは結局、日本の潜水艦は採用せず、大学も、軍事転用可能な研究をするかどうかについては、反対の声を上げる学者も少なくない。憲法9条改憲への抵抗が強いのと同様、大学での軍事技術研究開発や、軍事技術、兵器の輸出産業化は(実質的には進行していても)おおっぴらに行おうとすると、国民意識の抵抗は大きい。武器、軍事技術の国際競争力を高めるためにも、本当は自衛隊の戦争参加による実力証明。自衛隊の練度の高さだけでなく、日本製技術、兵器の優秀さを実戦で証明することで、軍事技術輸出産業化を加速したいという思いは、政府と財界に存在するのでは。
とはいえ、自衛隊の実戦闘への参加、という事態を国民が許容するのは、おそらく日本国周辺におけるける以下の事態の場合のみ。
① 尖閣への中国軍(もしくは漁民を装った勢力)の上陸など、東シナ海から太平洋にかけての離島における武力衝突の勃発
② 北朝鮮情勢急変による自暴自棄化した北朝鮮の軍事行動。
中東、アフガンでの米軍との共同作戦や、北アフリカ、アフガニスタンなどでの国連PKO活動における自衛隊武力行使は国民的反対世論ハードルが高い。

視点3 いつかテロは起きる。そのとき、政権はどのような世論操作を行うか。操作を行うまでもなく、国民はどう反応するか。
 アメリカのブッシュ政権が、911のテロを受けて、「テロとの戦争」を宣言し、まず、アフガン・タリバンを攻撃し、ついで、911とは全く無関係のイラクフセイン政権を倒したのはご存じの通り。石油利権を求めてのこと、とも、戦争ビジネス軍事企業の意向を受けてのこと、とも言われている。フセインが大量破壊兵器を保有している、というブッシュの嘘は後になって明らかになったが、911テロによる世論の興奮を利用すれば、こういう無理がまかり通る。ということを安倍首相とその周辺はしっかり学習していると思う。また、スノーデンにより告発された、NSAによる、網羅的な国民監視体制、ネット企業にも協力させた国民監視体制も、このテロへの対応として始まったのは承知の通り。このことも安倍政権は同然学習、参考にしていると思う。

 さて、ここからが本題なのだが、今回の共謀罪決定の大騒ぎを経て、しばらく後、なんらかのテロが起きて、国民に大きな犠牲が出たら、世論はどのように動くだろうか。あるいはラグビーワールドカップや東京五輪などの国際イベント期間にテロが起きて、日本人だけでなく、外国からのお客様にも犠牲が出たとしたら、国民世論はどのように動くだろうか。

 「だから共謀罪法案ではテロは防げないと言ったではないか」と、野党の主張を想いだし、自民党政権を責めるだろうか。
 それとも、「あの時、共謀罪に反対した野党は、どう責任を取るのだ。テロの危険性を軽視し、野党がその運用を慎重にするようにうるさいことを言ったために、せっかく作った法律が十分に活用されず、こんな悲惨なテロが起きてしまったではないか」と野党を責めるだろうか。
 私は、後者の意見が大勢を支配すると思う。
 今国会での野党の反対の論理というのは「共謀罪法はテロ対策には効果が低い。現代のテロは共謀罪法案とは違う行動原理の単独者が行う場合が多くあり(ソフトターゲットを狙ったローンウルフ型)、全ては防ぎきれない。それに対し、以下のデメリットが大きすぎる。=国民の監視、反体制勢力抑圧に乱用される危険性が高い。そうした可能性のある法律があるだけで、すぐにそのように運用されなくても、政治活動、自由な言論活動が抑制されてしまう。」
つまり、テロが起きてしまった場合、「共謀罪法案があってもテロは防げない」という、野党の主張が論理的には正しいことが証明されたはず。なのであるが。
 しかし、国会論戦を通じて関心の低い国民が受け取った印象は「野党はテロのリスクは低い」と主張している印象。この法案を推し進めている与党はテロのリスクと本気で向き合おうとしている印象である。(21日の『ワイドナショー』(フジテレビ)でもこの問題が取り上げられたが、松本人志がなんと、「いいんじゃないかな」と共謀罪賛成の姿勢を示したのだ。しかも、テロ防止のために「冤罪もしょうがない」とまで言い切ったのである。)ニュースサイト{LITERA」http://lite-ra.com/2017/05/post-3176.html
この松本発言の感じ方が、与党支持、漠然と低関心な国民が受け取った印象だと思う。
 とすると、いったん、大規模テロが起きた時には、「やはりテロのリスクと本気で向き合おうとした安倍政権、与党は正しかった」「テロのリスクを軽視して、反対のための反対をした野党はけしからん」という世論が形成されると、僕は、予想する。おそらく、そうなると思う。
 こうなると、「非常事態宣言」などの強硬措置に出なくても、マスコミもその世論に乗って、「実質一党独裁が永続する日本」への大勢翼賛体制がさらに一気に加速する。様々な監視システムの運用が国民的にも容認される。(というより、待望、要請するされるのではないか。)
 そのテロが、イスラム過激派のものであれば、中東や北アフリカへの自衛隊の派遣、参戦を受容しやすい国民世論が加速するだろうし、北朝鮮工作員によるものであれば、北朝鮮への敵基地先制攻撃容認論(アメリカと協働しての、北朝鮮現政権打倒を支持する声)も容認されやすくなるかもしれない。

 共謀罪法案を通じて形成された「自民党はテロ対策に本気。野党はテロリスクを軽視し過ぎ」印象は時限爆弾のようにセットされた。テロが起きると、この時限爆弾がさく裂。それにより、「日本のシンガポール化」「自民政権の永続世襲独裁政権下」「自衛隊・実戦闘参戦ハードルの低下」「軍事産業の輸出産業化」という、安倍政権の目指すことが、一気に連鎖的に加速して実現する。
 こういうシナリオを書いている人が、安倍政権の後ろにいるのではないかと、僕は想像しています。

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